供養の豆知識


仏壇がない場合のご供養

家に仏壇のない方でも、供養の心を持ち、作法にとらわれず供養を行いたいと思っている方も多いようです。そのような方は、香炉・花立て・ローソク立ての3点をそろえれば、家で簡単に供養ができます。 お供えするお線香も最近では、煙の少ないものや、香りが自然なものが出ていますのでご自分の好みにあったものをお選びください。

お線香の本数

お線香をお供えすることは、香煙を通じて仏様とお話するなどといわれております。仏前での御焼香は仏・法・僧(仏…お釈迦さま、法…仏の教えを説いた教典、僧…仏も教えを広めるお坊さん)への帰依を意味して3回行うといわれています。宗派によってちがいはありますが、お線香も仏・法・僧にならい3本立てるのが一般的だといえます。

お墓参り

お墓参りの際に必要な物は雑巾・たわしなどの掃除用具、花やお線香・ローソクなどです。
手桶やひしゃくなどは墓地に備え付けのものを使用します。 また、故人さまの好物や飲み物などのお供え物は必ず用意したいものです。故人さまが好きだったお酒や煙草などの嗜好品も持参しましょう。 お墓参りではまず、お墓を丁寧に拭き、周囲の落ち葉や雑草を処分します。次に墓石に水をかけ故人ののどを潤してからお線香をあげ、合掌します。
お墓掃除には墓石専用の洗剤を使うと汚れがきれいに落とせて便利です。ホームセンターなどで購入できます。
お墓参りに行く日
お墓参りは命日や月命日のほか、夏のお盆と、春秋の彼岸に行くのが一般的ですが、思い立った時に行くのもよいでしょう。また亡くなって最初のお盆(新盆)には、僧侶に読経をしてもらうなどして念入りに迎えるのが通例です。

お墓の建立

墓地選び
通例では墓地を購入する際は、土地の所有権を取得するのではなく、永代使用料を支払うことで「永代使用権」を得ます。永代使用権は第三者への譲渡は認めらていません。新しくお墓を建てる際の一般的な流れは、1.墓地を決める 2.石材店を決める 3.購入の申し込み 4.墓石の決定 5.埋葬の手続き 6.開眼供養 となります。
利便性を考える
墓地選びの際に重要なのは、自宅からの交通の便です。最近の霊園墓地は新しい場所ほど、立地の悪いところにある傾向です。お墓参りが面倒になり疎遠にならないよう利便性を重視することが肝心です。

《墓地の種類》
○寺院墓地
寺院の檀家になることが前提なので、宗派が違う場合は改宗の必要がありますが、檀家になることで子孫の代まで手厚く祀ってもらえます。また、市街地にあるなど交通の便が良いことも特徴です。
○民営墓地
購入者に資格制限がなく誰でも購入でき、生前に購入することも可能です。ただし、永代使用料や管理費が高めだったり、条件が良い場所はすぐに売り切れになってしまいます。また最近ではロッカー式のお墓も増えています。
○公営墓地
自治体が運営しているため、宗派にとらわれず、永代使用料や管理費が安く設定されています。ただし条件の良い場所は抽選になることが多く、当選確率が低いのが現状のようです。
○公園墓地

最近、人気なのが緑地や広場が整備されていて、明るい雰囲気の公園墓地です。ただ、郊外に開発されていることが多く立地条件は良くありません。

開眼供養について

新しくお墓を建てるときには必ず、開眼供養を行います。この儀式の意義は、仏の魂をお墓に迎え入れることです。忌明け、一周忌などに行うと、お墓のお披露目になるばかりか、法要と開眼供養を併せて行ってもらえるのでとてもスムーズです。その際、僧侶に対して法要とは別のお布施が必要になります。開眼供養は「入魂式」とも呼ばれ、これが済むと、単なる石が「お墓」として生まれ変わります。開眼供養では花や供物を供え、読経を行い、お焼香をします。また石材店や墓地の管理事務所とも、事前に綿密な打ち合わせを行っておくことが大切です。
開眼供養の際のお礼(お布施
開眼法要の際、僧侶にお渡しする御礼の場合、表書きは、「御布施」「開眼供養料」として白い封筒を用います。故人さまがなくなってから時間がたっている場合はお祝い事なので、紅白水引のご祝儀袋を使用します。その場合の表書きは、「建碑御礼」とします。
開眼供養の際のお礼(施主様へ
一般的に開眼供養は、慶事として扱われています。親戚の方など施主様へお渡しする場合は、紅白水引のご祝儀袋に「御建碑御祝い」と表書きします。

お墓の管理体制

施設関係は墓参を想定して判断する
法要を行うの際には、必ず法事用のスペースなどが必要です。併せて、駐車場の有無・台数などを確認しておきましょう。最寄り駅周辺などの宴会場を使ってもかまいません。 また、墓参のことを考えた場合は、事業所の管理体制を知っておくことも重要です。休日・祝祭日でも管理事務所は空いているか、周辺でもお花・お線香などの墓参に必要な物を購入できるかどうかなども知っておきたいところです。 また墓地の管理に欠かせない、清掃や、ゴミの扱いについても事業所主体なのかどうかなど確認が必要です。墓参してから気付いたのでは遅い場合もあるので事前に明確にしておきましょう。
墓地には名義登録が必要
寺院墓地を使用する際は、一般的に盆暮れの付け届けとして「志」という形をとって納めるのが通例です。また公営・民営墓地を使用する際は、通常1年ごとに管理料を納める必要があります。こうした料金面などは後々に問題にならないように、管理事務所と、あらかじめよく相談しておきましょう。 また、墓地には使用者の名義が登録されていますので、名義人が死去した場合、名義人の住所が変わった場合などには、変更の届け出が必要になります。また何らかの理由で墓地を移転したり、改修などを行う際には、所在地の自治体へ申請手続きをしましょう。分骨などを行う際にも諸々の届け出が必要になるので確認が必要です。